「同じ空の下で…」
「はじめまして~」
遥人の彼女は、大きな瞳を携えたロングヘアがよく似合う女の子だった。
身長は私ぐらいかもしれない。
クーラーボックスを置くと、軽くその子に挨拶をする。
「始めまして、英艶香です。よろしくね。」
「あたし、由美。滝野 由美。美容師です。良かったら、今度遊びにきてね♪」
「私は、櫻川 紀子です。今日はお世話になります」
「こちらこそ、宜しくね♪あれ、あっちの彼女は?おーい、嘉斗っ、彼女紹介してよぉ~!」
由美は嘉斗の姿を見つけると、大きな声で嘉斗を呼んだ。
「あの子は、星羅っていいます。新田 星羅。私の友達なんです。」
嘉斗に促され、歩きずらい砂浜を一生懸命にこちらに向かってくる星羅ちゃんは、ライトブラウンのショートカットが良く似合う小柄な女の子だった。
「今日は、宜しくね♪」
相変わらず、よく手入れされた美しい手を差し伸べ、由美はお得意の極嬢スマイルを振りまいた。
私は…
とてもじゃないけど真似できずに、仕事でよくやる『愛想笑い』で、彼女達と握手した。
メンバーが揃い、各々が片手に缶ビールやらアルコールフリーの飲み物を持つと、乾杯した。
その儀式を済ませば、あとは自由気まま。
暑い中、嘉斗や遥人が中心になり、食材を焼き始めた。