「同じ空の下で…」
お風呂上りに、ゆったりと部屋に籠り、今日仮予約した部屋の契約書に必要な事を書くと、またベッドに寝転んだ。
ふと、瞬に連絡を取らなきゃいけない事を思い出し、スマホを手に取ると…
[to :岡崎 瞬]
[sub:お疲れ様です。]
[本文:英です。忙しい所、ごめんなさい。今日の打ち合わせで、スポンサー廻りの際のバディとして私と瞬君が組む事になりました。都合あう時間教えて下さい。返事は急がないので、いつでもいいです。お手数お掛けしますが宜しくお願いします。]
・・・・本文を読み返し、メールを送信した。
[from:岡崎 瞬]
[sub:RE:お疲れ様です。]
[本文:俺はいつでも大丈夫。あとでこっちから電話する。]
すかさず返信されてきた、瞬からのメールを確認すると、アパートの契約書に母から署名をもらう為に、リビングへおりた。
仕事との兼ね合いもあるので、休めそうな平日に一日有給を貰って引っ越す事にした。
─────・・・・
その週の水曜日、常務が急遽九州支社へ出張となった。
常務が本社不在の予定となった為、有休を貰うには好都合だった。
このチャンスを逃すまいと上司に相談し、ずっと温めていた有休を貰った。
計画通り、水曜日。
亮太が出勤しただろう時間を見計らい、業者と共に私は亮太とのアパートから荷物を運び出し、引っ越した。
「お世話に…なりました…」
誰も居ない亮太とのアパートに深く頭を下げる。
私の荷物が抜けた…少し殺風景で生活感がない亮太のアパート。
自分の声がやたら響きわたる。
部屋に鍵をかけると、そのまま合鍵を郵便受けに投函した。
こうして、私は亮太との2年の同棲生活にピリオドを打った。