「同じ空の下で…」
第16章 他人。
■第16章 他人。
目の前に居る高梨准一の顔色を見ながら、私はキャラメルマキアートに口づけて口の中に含んだ。
口の中に甘ったるくキャラメルの味が拡がって行く。
「…。」
目が合っても、さっきから何も言わない高梨はマグカップを口許に運び、一口含んだ。
眼鏡越しの瞳は、先ほどとは違い酷く鋭さを増した瞳で、目が合ってしまった私は、まるで、猛獣に狙われてしまった小動物のようで、その表情にほんの少しだけ、恐怖感を覚える。
きっと、こんな表情で仕事をしているんだろう。
むしろ、この鋭い瞳こそが、彼の本来の姿なのかもしれない。
落ち着かない様子で、目線を逸らして窓の外に目を移せば、いつか見た光景が眼前に映る。
ひょっこりと雑踏に紛れて姿を現した瞬を…思い出してしまう。
あり得ないとわかって居ながらも、今日もその姿を探しすふりをしながら、また一口、マキアートの上にあるホイップ状のミルクに口づけた。
「誰かを探しているのですか?」
そう、問いかけられて、高梨の顔を咄嗟に見る。
本当に、綺麗な顔立ちだな…と、彼の顔で視線が止まる。
切れ長の瞳の奥を見据えていると、その瞳がゆっくりと柔らかくなっていった。
「警戒心丸出しですね、英さん。」
「当たり前です。」
目の前に居る高梨准一の顔色を見ながら、私はキャラメルマキアートに口づけて口の中に含んだ。
口の中に甘ったるくキャラメルの味が拡がって行く。
「…。」
目が合っても、さっきから何も言わない高梨はマグカップを口許に運び、一口含んだ。
眼鏡越しの瞳は、先ほどとは違い酷く鋭さを増した瞳で、目が合ってしまった私は、まるで、猛獣に狙われてしまった小動物のようで、その表情にほんの少しだけ、恐怖感を覚える。
きっと、こんな表情で仕事をしているんだろう。
むしろ、この鋭い瞳こそが、彼の本来の姿なのかもしれない。
落ち着かない様子で、目線を逸らして窓の外に目を移せば、いつか見た光景が眼前に映る。
ひょっこりと雑踏に紛れて姿を現した瞬を…思い出してしまう。
あり得ないとわかって居ながらも、今日もその姿を探しすふりをしながら、また一口、マキアートの上にあるホイップ状のミルクに口づけた。
「誰かを探しているのですか?」
そう、問いかけられて、高梨の顔を咄嗟に見る。
本当に、綺麗な顔立ちだな…と、彼の顔で視線が止まる。
切れ長の瞳の奥を見据えていると、その瞳がゆっくりと柔らかくなっていった。
「警戒心丸出しですね、英さん。」
「当たり前です。」