「同じ空の下で…」

翌朝・・・───

大きな窓から差し込む朝日で、私は目が覚めた。

そう、まだカーテンなんて用意する余裕すら昨日は無かった。


夢見が悪そうだ…────

そんな事を思いながら無理矢理目を瞑って眠った昨夜は、とても不思議な夢を見た。




いくつものシャボン玉が目の前を覆い、視界がまったく見えなかった。

シャボン玉を触っても、それは割れる事なく、手をふれても、風船のように手から弾けて、向こう側へふわふわと漂っていく。

前が見えない…
前が見えない…

シャボン玉をかき分けながら、この先には一体何があるの・・・・?
そう突き進んでいく中、うっかり注意力散漫になった私は足元をすくわれ・・・・大きな穴に落ちてしまった…

そんな所で目が覚めた。

時間を見るとまだ6時前…

とりあえず、朝日の光で目を覚ましてしまった私は、ゆっくりと起き出し、仕事への支度を始めた。


夢見が悪かったのか否か?

朝食を済ませ、支度を整えると、今までとは違う通勤路へ飛び出した。


そして、電車に飛び乗ると、今までとは違う窓の外を眺める。



何だか、清々しい気持ちで一杯だった。

それは、新入社員として、通勤初日を迎えたその日の気持ちと、少し似ているかもしれない…。







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