「同じ空の下で…」

頭の中を色々な思考が駆け巡る。

高梨准一が言う、恋愛観だとかを思い返せば、瞬と自分の関係がとてつもなく薄っぺらい関係に思えてしまっていた。


今朝方に、瞬からメッセージが入った事を思い出し、慌ててスマホを取出し、電源を入れてみれば、メッセージが数件入って居た。


一つはタケルからで、もう一つは瞬からで…。

傘を差しながらがっくりと肩を落とすと、スマホをまたバックにしまった。


ワタシタチハ、ドウシテハナレナケレバイケナカッタノカ…?


高梨が時折見せるあの鋭い眼光が頭を過る。


…考えた所で、そんなのは後の祭りだ。


アパートが見えてくると、少しだけ駆け足になり、階段を歩く音もリズムを刻むと言うよりビートを刻むかのように聞こえさえする。

雨どいから、雨が滝のように流れているのが見えた。


部屋に戻り、少し濡れた服を脱ぎ、部屋着に着替えるとそのままベッドにダイブした。

スマホを取出し、瞬のメッセージから確認する。

「仕事が終わったら、何時だろうがメッセージ下さい。」


・・・・

高梨との見合いのせいで頭の思考回路が完全に止まりかけている。

「Re:今、部屋にもどりました。」

「Re:…来月、一旦帰国します。時間出来たら会おう。」


…本当に今日と言う日は、心臓が何個あっても…足りない。


…嬉しさに溢れる筈のメッセージだというのに、不思議に心臓が高鳴る事もなかった。

ねえ、瞬…─────

「Re:ワタシタチハ、ドウシテハナレナケレバナラナカッタノダロウ…」


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