「同じ空の下で…」
「…なんで待つ必要ある?さっき艶香のメールを受けてから、時間にしておよそ20分で、事は済んだ。このペースなら一週間でこのリスト、クリア可能。そう思わない?」
何も悪びれた様子なく、瞬は私を見る。
「あの…、私、何も聞いてない。ここ来る事も、瞬のその計画も…。」
スーツ姿に身を包んで、ネクタイを締めていた瞬は、少しだけネクタイを緩め、私を横目で見ながら言う。
「あぁ、ごめんごめん。事後報告でした。」
アウターのポケットに手を突っ込みながら、
「で、後は?艶香の言い分はおわり?」
と、だるそうに言った。
「はい・・・、まぁ。」
「そ。じゃあ、次、行こう。」
「あ、あの…」
「ん?」
「私は、歩いていくよ…。次は、どこに行けばいい?」
「あ~あ…。何だよ、それ。タイムロスするだろう?どっちかがどっちかを待たなきゃいけないだろう…。」
思いっきり嫌そうな顔、そして面倒臭いとでも言いたそうにして、瞬は目線を逸らした。
「もういいや。あとは俺、一人で行くから、そこまで送るから、とりあえず、後ろ乗って?」
バイクにまたがると、苛々したように瞬はエンジンをかけた。
「あ、その、そういう意味じゃ…」
「じゃあ!とりあえず!今日は!俺に!し・た・が・え!」