「同じ空の下で…」
「・・・・はい。」
完全に瞬を怒らせてしまったのが分かった。
大人しく、瞬の後ろに乗り、さっきと同じようにして瞬の背中と自分のお腹の間にバッグを置くと、瞬のお腹に腕をまわした。
今日は…
瞬の計画通りに従うのが一番いいのかもしれない。
瞬の言うようにこのペースで行けば、さっさとこのバディは、リストをクリアして、バディが早々に解消できるのかもしれない。
何も言わずに、彼のペースで、それをサポートして行けばいいのかもしれない…
移動中、そんな事を思った。
案の定、黙っていたら、今日だけで5件もスポンサーを廻る事が出来た。
5件目の会社を廻り終わった後の事。
「彼氏、心配するだろ。駅まで送る。後は俺がやっとくから。」
と、いきなり気遣ってくれた瞬に正直、焦った。
何だか突然申し訳ない気持ちになり、私は口をくぐもらせながら瞬に頭を下げた。
「…今日は…、さっきはごめんなさい。」
自分が歩くといって、瞬を苛々させてしまった事を、私は謝った。
「別に…いいよ。俺も、艶香にちゃんと今日の計画を話しておくべきだったし…。こっちこそ、悪かった。」
・・・・ほんと、調子狂うよ、瞬。
私、そんな風に、謝られる事に慣れていないんだ。