「同じ空の下で…」

「俺、腹が減ったんだけど、艶香は?」

「ご、ごめんなさい!気づかなかった!」



「あの…一つ言っていい?」

「?」

「ごめんなさいって…口癖なの?今日、何回言った?訪問先の企業でもずいぶん言ってたよな~」

「ご、ごめん…」

「ほら、また。何に謝ってるんだ。減った俺の腹に謝ってるのか?」

「瞬の腹に?謝るわけないじゃない」


その個性的な瞬の言葉に、思わず笑ってしまう。


「おお、今日初めて笑ったね。さて、飯、いくぞ~乗れ!」


「はい。」




本当に…何なんだろうこの人は。


でもまぁ、まともな部分もあるんだなという事が今日の瞬の行動で少し分かり、安心した。



でもやっぱり、苦手だ。

瞬の行動は突然であり、計画性がない。だからなのかもしれない。加えて、
自分の予想つかないような事を平気でやらかす人種だ。

発想も、何もかもがまったく違う為なのか。
分からないけど、何故だか昨日までの瞬のイメージとだいぶかけ離れてる瞬がそこに居て、自然とこの男に対する不信感は、無くなっていた。

とりあえず今後は、瞬の機嫌を損ねないように…

波風を不用意に立てないように・・・


また自らの感情を・・・・封印した。


それは、自らが傷つかないように、自分を守る為の手段に過ぎないのかもしれないけど・・・・。








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