「同じ空の下で…」

恥ずかしさで視線を逸らすと、静かにまた、瞬のお母さんの顔を見た。

笑うと本当に、瞬に良く似ている。

…というか、瞬がお母さんに似ているんだ。

「あの子の…兄の話は?」

「それとなく、聞いた事があります…。」

「そう…。うちの長男の事で、私は瞬には、本当に申し訳ない事をしていると…ずっと引け目を感じてました…。瞬の、あの子の父というは、いまどき珍しい程の…頑固な人間でね…恥ずかしい限りです。…英さんにも…寂しい想いをさせてしまって…私が代わりに謝ります…。ごめんなさい。」

「…い、いえっ!そんな!あの、頭を…上げて下さい!」

瞬のお母さんに謝られて、私は慌ててその小さな肩に触れた。

「あ、あの…。よく、分からないけど…瞬が、決めた事なのでっ…お母さんが、こんな風に私に謝るって…あの、変ですっ!」

気が動転してる私は、よく分からないしっちゃかめっちゃかな言葉を掛けた。

「私も…その、寂しい事はあるけど…瞬が決めた事だし、その…瞬のやってる事って、すごい事だと思うし、その分、瞬だってきっと大きくなって帰ってくるんだって思って…だから…あの…決めたのも私自身だし…。なので…」

完全に、パニックに陥ってる…と言っても過言ではない私。

もう、何を言ってるか分からなくなっていた。

「お母さん、私に謝るなんて事、しないで下さいっ!」


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