「同じ空の下で…」
「やめろよ、お袋。俺の意思で来たんだし、当たり前の事だろう?」
「…今、お父さんが忙しく…会社の方の手続きや、遺産の事や、法規の事やらなにやら…やってくれてるわ…。瞬も瞬で、大変だったでしょう?」
「そんな事ない。俺の穴なんて誰かが埋めてくれる。ジェームスだって、その辺は鬼じゃない。…世話になったじいちゃんを見過ごしてのうのう仕事してる方が人間性を疑うって言われたさ。だから、お袋にそんな風に言われるのは心外だ。」
「…それもそうね。…あ、英さん、なんか内輪の事でごめんなさいね。」
「い、いいえ…すいません、私も、あまりご事情も良く知らないで…。」
「そろそろ…行くか、艶香。」
「…もう、いいの?」
「うん、俺的に、じいちゃんとわだかまりが残ったまま渡米した事が…ちょっと気がかりだった。…ああ、お袋、今日は艶香のとこに行くから、親父に言っといて。」
「…ん、分かった。」
そう頷いたを確認すると同時に、瞬は私の手をとって立ち上がった。
そして、私達3人はその場を後にし、また御祖父ちゃんが居る部屋へと戻る。
「…じいちゃん、また来る。」
トランクをまた持ち、私は私で瞬に持たせていた自分のバッグを持つと、静かに礼をした。
「ありがとう、二人とも。気を付けて…」
「…お騒がせ、しました…。」
御祖父ちゃんに言うように…私はそういうと、その部屋を瞬と一緒に出た。