「同じ空の下で…」
「…例えば?」
「…夕暮れの美しさに遭遇した時。…切なくならない?」
「うん、なる。分かる…。」
「…多分、艶香も同じ気持ちでこうゆう夕暮れを見てるんだろうなって…急に声聞きたくなったりする…。」
「ああ、なんか…分かる。」
「だけど、やっぱり楽しんだもん勝ちって気がするね♪とりあえず、晴れのちくもり、時々雷雨…みたいな?」
「時々、雷雨…ね。…ふつうの『雨』とは違うんだ?…雷雨なんだ?」
「そう…雷雨だったな、じいちゃんの話を聞かされた時は…。」
「ああ…そっか…。」
「…なんか、話せる相手が居て良かったなぁって…思った。」
「うん。」
「…艶香、ありがとな。」
「な、なによ、改まって!!…普通じゃない。」
「ううん、俺的には…普通じゃない。特別な存在。」
「・・・・そ…そかな…。」
…私は…特別な存在には値しないよ…と言いかけて、口を閉じた。
私は、ずるいと…思う。
瞬に離れられるのが怖くて…
高梨との事を…私は打ち明ける勇気が微塵も無くて、今のこの時間を壊したくなかった。
「艶香が居て…良かった。」
そう言われれば言われるほど…自分を責めて行く。
「…そんな…何もしてないよ、私。」
・・・・高梨との事は、話す必要…ないよね?