「同じ空の下で…」
半ば、馬鹿騒ぎをしながら食事を嗜む。
敢えてアルコールは各々控えた。
蓮も瞬も、由美に対する囁かな優しさだと思う。
もちろん、私も甘くてとろけるようなノンアルコールのカクテルを飲んで、勝手に一人で酔ったような気分に出来上がっていた。
場の雰囲気に…酔うような…。妙なテンションで小悪魔のアラビアータをつついていた。
瞬は、アメリカでの生活を蓮に夢中になって話している。
その横顔を見ながら、今、ここに瞬が居るっていう幸福感に浸り、一人で顔を緩めて笑っていた。
「ねぇ…艶香は、瞬からこうゆう約束とか…ないんだ?」
由美が少し声を潜めて、自らの白くて長い薬指を指さしながら、私の顔を見た。
「うん、まぁ、具体的には…。」
蓮との会話に夢中になってる瞬。
「…そっか。何か、自分の事で手一杯だったから、艶香にも連絡しなきゃと思いつつ…御免ね。元気だった?」
「謝らないでよ~。てか、私も、色々あってバタバタしてたし…気にしないで。だけど、まさか由美がそんな…ママになってたなんて!マジビックリ。」
「うん、自分でもビックリ。…けど、色々不安な事も多い。私、ママなんて出来るのかなぁとか…。これから益々忙しくなるっていうのに…イマイチしっくりきてないような…。」
「大丈夫だよ、蓮が居るし、由美は立派なママになれるよ~」