「同じ空の下で…」
いつか感じた、野性的なキス。
空港で会った時に交わしたキスとは違った、本能の赴くままに与えられるキス。
激しさすら感じさせる、大人のキス。
ベッドに居る瞬と、床に座る私という、変な距離感を埋めるが如く、唇を離すと瞬は、手を私の首の後ろと膝の裏に添え、そのままベッドに運んだ。
実に素早いその動作に、何も言えずに、私は無言で目を見開き、瞬の顔をただただ見つめるばかりだった。
「…だって、キス、しずらい体勢だし。」
また拗ねるように言う瞬。
「…何も、言ってないじゃない。」
私は笑いかけるように、彼に答える。
瞬の顔と自分の顔との距離が縮まっていく。
「…Je t'aime.」
「…な、なに?今度はフランスにでも行くの?」
軽くあしらうように私は言うけど、そんな事はお構いなしに、今度は唇ではなく私の首筋にキスを落としていく、瞬。
「…久々の、艶香の感触…♪」
「…へ、変態っ。」
そんなやり取りでも、私は充分幸福感を感じて行く。
首筋に与えられていく刺激。
優しく撫でられていく、自らのボディーライン…。
その手が、私の太ももに掛かって行く時、
意思に反して思わず出てしまう快楽の声が、部屋に響く。