「同じ空の下で…」

「ねぇ、さっきから何してるの？」

運転しながら時折私を観察していたのか、不思議そうに私に問いかける瞬の声で、やっと我に返った。


「…えっ？」

頬に熱を走らせながら、私は瞬の真顔を見た。


「ま、見てる分には面白すぎますけど♪…でも、少し真面目な話していい？」

目の前の信号が黄色になり、瞬はスピードを緩めながら、信号待ちした。


「…真面目な…はなし？」

「うん。真面目な話。今から一切おれはおふざけ・からかい無しで話しますっ。」

「…えっ？そうゆうのを車の中で言うの？しかも運転しながら？」

「うん、言う。運転しながら言う。」

「大事な事とか、そういうタイミングでいわないでよ。」

「…だって、まともに見たら、言いたかった事を飲み込みそうになるし…。結局言えずに後悔するし…。」


その言葉を聞くと、私はごくりと生唾を飲み込んだ。

一体…何を言われるのか…不安と恐怖で一杯になった。

そして、覚悟を決める。

「…わかった、聞くよ。」

腹をくくって、私は瞬の言葉に耳を傾けた。


「…あのさ、艶香。俺に遠慮しないで、自由に恋していいんだよ。遠くの親戚より近くの他人って…言うだろう？…艶香がなんか、さぁ…前みたく笑ってないのが…笑顔が少ないのが気になる。空港で会ってからずっと…」