「同じ空の下で…」
「ねぇ瞬、…笑っていられる訳ないよ。どうその言葉を受け入れたらいいの…。」
「好きだからこそ、好き以上の感情があるからこそ、艶香には幸せでいてもらいたい…だけ。今の俺には幸せに出来る自信がない…。だけど、自分の幸せを最優先に考えたとしたら、例えどんな中途半端な俺であっても…失いたくないのは、艶香との関係…。身勝手な事を言うならば、今すぐにでも婚姻届を出して、これからの軌跡は二人で築きたいっても、思う。すぐにでも、飛行機で連れ去りたいくらい。」
煙草をもみ消しながら、私は体が熱くなるのを感じた。
「…ねぇ、それってちょっとした…プロポーズみたい」
「…ははっ!そうかも♪…でも、ちょっと違う。ちゃんとプロポーズの言葉とかは別にあるし。」
瞬は、軽くあしらうようにして、ハンドルを切って自分の家のカーポートの前に車を寄せ、シフトをパーキングに入れ、ハザードランプを点滅させた。
「…俺の事待つなら、待っていてくれていい。むしろ、嬉しいけど、待ってる間は無理せず、自分の気持ちを最優先して、艶香の幸せを考えて?…これが俺の気持ち。」
ジッと私の瞳を真剣に見つめたのちに、おでこに軽くキスをした瞬。
そして、バッグにギアを切り替え、器用にカーポートに納めた。