「同じ空の下で…」
事務所に着くと、タケルを筆頭に、いつものメンバーが居た。

「おかえりー!遅いから電話しようと思ってたよ」

甘い柔らかなローズの香りを漂わせ、由美が私の傍に駆け寄って来た。

「ただいま。ごめん、ご飯食べてきた。」

そういいながら、バッグの中から、スポンサー周り道具一式のファイルを取り出すと、預かったお金と領収書をタケルに渡した。

「お疲れさん。疲れただろうから、少し休んでて。」

「うん。」



相変わらず、柔らかい笑顔でホッとする。
タケルの笑顔に癒されながら、私は由美の隣に座った………と同時に、タケルが大きな声を出して、ビックリした。



「なんだ?!5件で15万て?!」

「えっ?!嘘?!何か間違ってた?!」




その会話に一瞬、事務所が静まり返った。


「ん?なんだ…足りないのか?」


呑気な声で、不思議そうな顔をしながら、瞬がタケルを見る。
瞬はというと、事務所の壁に唯一ある窓に、偉そうに腰かけて空を見ていた。

そんな態度の瞬を見て、苦笑いしながら、タケルは言った。



「……いや、充分過ぎて驚いた…。一体、どうやって………。」


「なあぁーんだ、驚かすなよ。…一件あたり3万ずつもらっただけだろ?」


言われるまで気がつかない私も大した馬鹿だと思った。
良く考えたら、随分な大金を持ち歩いていた……。


「どうやったら、こんなに…貰う事出来るんだ…。」

タケルは激しくショックを受けたかのように、小さな声でつぶやいた。

「うーん、………それは、艶香が色目使ってくれたぁ♪」

「は…?」


オイ、シュン、イマナンテイッタ?



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