「同じ空の下で…」
さっき迄、瞬に向けられていた視線が一気に私に向けらる。
「ば、馬鹿じゃないの?!何を急にいいだすのよ!!」
皆の視線を受け、いったん固まってしまっていた私は、そりゃもう、慌てて一生懸命否定をする。
慌てふためくって、この事だと思った。
「ぶっー!!皆、真に受けてやんのぉ!」
独り、大声で嬉しそうに笑う瞬を、後ろから思い切り蹴り上げてやりたい気分だった。
ヤッパリこの人、・・・・嫌い。
「もぉ、艶香がそんな事を瞬にさせられたと思って、ビックリしたよぉ!」
またまた由美の言葉に救われ、蹴り上げ作戦を思いとどまったのは言うまでもない。
「ごめんごめん、今日の5件は全部、爺ちゃんとオヤジに口添えして貰って、そっから俺が改めてアポとってから行ったから、上乗せしてくれたんだ、多分。」
「もぉ、最初からそう言え、ばか瞬!」
由美が瞬を笑いながら叩いて、仇をとってくれ、私は苦笑いした。
「それは、それは。瞬、ご苦労さんだった。俺らなんて、3件回って2万5千……」
タケルのチームはどうやら今日は不調だったらいく、肩をがっくり落としていた。
そう言えば、今日行ったどこの企業も「瞬くん、よくきたね」とか、「一人前になったね」とか、「久しぶりだね」とか…そんなのだらけだった気がする。
なるほどね…。
でも、艶香の色目は余計だ、コノすっとこどっこい!!!