「同じ空の下で…」

相変わらず、自分には大きすぎるくらいの部屋に電気を点け、その足で脱衣所に向かって服を脱ぎ、設定温度を高めにするとシャワーを浴びた。

…明日から、…仕事だ。

溜まった書類の山や、メールの件数やらを想像しながら、頭からシャワーを掛けた。

ストロベリーのシャンプーを手にとり、髪の毛に馴染ませて…洗いながら思う、瞬の事。


今頃…悲しみにふけっているんだろうな…。


目を閉じながら、自分の無力さにため息が一つ零れる。


こんな時こそ、彼の為に何かしてあげる事が出来たら…と思う。


ベッドに入ると無意識に瞬が眠って居た方向に体を向け、横向きになっていた。


今朝までここにあった温もりや、彼の香りや、寝顔を思い出しながら、静かに目を閉じる。



昼間に眠って居たというのに、気が付くといつもより1時間も早く眠って居た。





…─────


いつもの朝。

スマホのアラームがけたたましく響く。

目を片方だけ開けながら、手探りで枕元のスマホを探しながら、無造作にアラームを切った。


目を閉じたまま無理矢理に体を起こす。

目を開けると伸びをしてやっとの事でベッドから降りる。

床に置かれている、瞬の服を見つけ、拾い集めると、洗濯機に入れ自分のものと一緒に洗った。




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