「同じ空の下で…」
「…す、スープ…だよ…」
心臓はバクバクしながらも平静を取り繕うが、瞬には見破られてしまったらしく、
また同じように声というか息を吹きかける様にしながら、
「…早く、食べたいなぁ~…♪」
なんて、からかい混じりに私にささやき始めた。
「…その…体勢続けられると…なかなか出来る事が限られて…思うように…料理出来ないんだけど…」
「…そ?じゃ、料理しないでこっち向いてよ?」
「…あ、朝から…何よ…。じ…時間ないんだけど……んっ!?」
軽く横を向こうとした時に、顎に手をかけられて、まんまと瞬の策略にはまり、朝から唇を奪われてしまう…。
慌てて唇を離そうとするけど、しっかりと頭を抑えられて、自由が効かない。
「…ま、マジで遅れるって!」
息苦しくなってさすがに口を逸らして、やっとの事で自由を許される。
…甘くて、優しくて…我儘な瞬に愛されている事を実感できる
こんな時間は、ほんとは…嫌いじゃない…
むしろ…、こんな風にして…瞬と一緒に居たいし、くっついていたいのは、やまやまだった。
もっとそうして居たい…、本音は、そうなのだ。
だけど、現実っていうのは、そう甘くない。
「…ちぇっ!」
舌打ちしながらも、何処か嬉しそうにして、瞬は私から離れて、朝ごはんに必要なカトラリーを準備し始めた。