「同じ空の下で…」
「やめてください、任務中ですのでっ!」
咄嗟に自分の左手で瞬の左手を払いのけると、再度リストの残り件数を数えた。
私だってばかじゃない。
こんな『さりげなくボディタッチ作戦』をしてくる瞬の手口に、私もいちいち一喜一憂しない事にした。
はっきり言って、逐一反応してると精神が持たず、どっと疲れるのが、この数日間で分かった。
怒る労力すら今は節約したい気分である。
「じゃあ、暇だから、しりとりしよう。」
「いいよ、じゃあ、私からね。瞬のばか」
「か、可哀想な艶香。」
「か、回転ずし」
「し、仕方ない、食いにいこう!」
「う、う…海ブドウ食べたいな。」
「な?な…なら、行こう、今日はおしまい♪」
「えーーーーー?!何言ってんのよ!」
「だって、俺、今日全くやる気なし。こんな日は、やめておいた方がいいに決まってる・・・・って、タケルも言うに違いない。」
「タケルは絶対そう言わないと思う。」
「いいや、言うね。」
「瞬、やる気ないならアタシ一人で行ってくるからいいよ、休んで?」
「それは、やだ。一人回転ずしは、流石の俺も嫌だね。」
「じゃあ、あと一件、ちゃんと行こうよ?」
「はいはい、分かったよ。一件終わったら、海ブドウね?」
「understand!」
これが瞬のペース。
だから、疲れるのだ。