「同じ空の下で…」
「…集中集中っ!」
独り言のように呟きながら、また、パソコンへの入力作業を進めていると、パソコンからメールの着信を告げる小気味よい音が鳴った。
相手は、J.Takanashiだった。
[件名:お疲れ様です]
[本文:先日は、大変お疲れ様でした。そして、会議への同行という、私情を交えた我儘を聞いて頂きましてありがとうございました。あのような言葉を頂き、正直ショックを隠せませんでしたが…またこうして女々しくも連絡をとりたがってしまいます。お時間が許す時で構いませんが、また、お会いできればと思います。御都合の良い日をご連絡いただけると嬉しいです。取り急ぎ、用件のみで失礼いたします。良いお返事をお待ちしてます。 PS.御婚約、おめでとうございます。]
メールの内容を理解しながら、恥ずかしさに溢れて赤面してしまっているのが自分でも良く分かる。
周りにこれを読んでる人が居ないかを、思わず後ろを振り返って確認してしまった。
…仕事中に、しかも会社のメールに…一体、ヤツは何を考えてるんだと、返事を返してやろうという、意地悪な感情もうまれつつも、どこか嬉しい自分も居た。
奇しくも、この事に動揺してしまい、デスクの上のマグカップを倒してしまった。
だから…こうゆう事を会社のメールに送ってほしくないのに…。
心の中で、密かに高梨のせいにした。