「同じ空の下で…」
「亮太に話す意味ないか…。」
やっと振り絞ったその一言を残し、私はコンビニにまた入りかける。
すると、昔みたいにまた強い力で腕をつかまれた。
「意味ないかもしれないけど…知る権利はあるんじゃないか?元彼として。」
今更なんなんだ・・・・何が元彼だ…
そう思いながらも、変に誤解されたままなのも何だか悔しいし、向きを変え、亮太を見上げながら、私は一気に言葉を発する。
「…前にも言った。私の電話とあいつの電話、機種が同じで本当に間違って出たの。本当にただの同級生で別に新しい男とかじゃないから。同級生同士でイベントあって、その係を引き受けてしまって、そこでくじ引きがあって、今、仕方なく・・・・。時間が無いから…ただ、厚意で迎えに来てくれてるだけだから…!新しい男とかじゃないし変に誤解されるの迷惑だよ。」
…そう言いつつも、言い訳してるみたいで、自分が情けなかった。
すると、何を察したのか否か…。
私は、サッと自然に肩を抱かれて、コンビニの店内に入る事が出来た。
「大丈夫だったか?」
頭の上で、ヒソヒソと小さな声がする。
「大丈夫。元彼だから…。」
「絡まれてたのか?」
「…ううん、そうゆうのじゃない」
すると、その主は、また出入り口の方向を見て、
「居なくなったぞ。」
そう言って私の肩から手を離し、離れた。
瞬の絶妙なタイミングに、私は何だか複雑な気分だった・・・・。