「同じ空の下で…」
急遽激務になった私は、クタクタになった重い足を無理やりに引き上げてダラダラと階段を昇り、やっとの事で自分の部屋につくと、なだれ込むようにしてベッドにダイブした。
そしてその位置から見える、キャビネットの上の瞬の笑顔を見て、静かに口角を上げて、微笑んだ。
暫く微動だにせず、天井を見つめた後、郵便受けの中を全く見てなかった事に気づき、また、玄関までゆっくりと歩いた。
部屋の中が冷めきってしまうような外気が、一気に部屋に流れ込んでくる。
そして、すぐに郵便受けの中の物をかき集めると玄関を閉めた。
何枚かの封筒を封を切らずに確認する。
一つは、電気代の請求書。
一つはお気に入りの雑貨屋さんからのダイレクトメール。
一つは、クレジットカードの明細…。
そして最後の一枚は
″VIA AIR MAIL″ From.U.S.A.
送り主はもちろん、Shun Okazaki
…初めて送られてくる瞬からの手紙に、驚きを隠せなかった。
誰かの悪戯?
いいや、この癖のある文字はまさしく瞬からの手紙だった。
メールや電話で話せばいいのに。
そんな事が頭の中を過った。
ペーパーナイフをキャビネットから出し、瞬からのエアメールに宛がうと静かにナイフを滑らせた。