「同じ空の下で…」
「もう、俺の話はこの位でいいでしょうか?」
「…これで、オアイコだね…。」
「・・・・ああ。」
瞬の意外な所を垣間見てしまった気がして、私の鼓動は無駄に早く動いてしまい、落ち着きがなかなか取り戻せない。
「さぁ、海ブドウたべるぞ♪」
やっと、いつもの瞬の声を聞くと、その鼓動はいつもの緩やかさを取戻し、やっと落ち着きを取り戻せた。
私はアウターを羽織ると、瞬と共にその回転寿司屋に入った。
こんなに、時間が長く感じた時は・・・・久々だ。
車中の重苦しい空気から解き放たれ、互いにいつも通りに取り繕えたのは、私だけではなく、きっと瞬も一緒だと思う。
二人でたらふく食べ、瞬が支払を済ませ車に戻ると、私はその半分のお金を瞬のアウターのポケットにおもむろに突っ込んだ。
「要らないよ。」
「いいよ、私が今日は言い出しっぺだし。そもそも奢られる理由無いし。」
シートベルトをかけながら、私は無表情で答える。
「可愛く無いなぁ。」
「可愛くなくて結構です。」
「素直に奢られてりゃいいのにさぁ~・・・・」