「同じ空の下で…」

早く、瞬に逢いたいです。

早く、瞬の仕事の結集を見せて貰いたいです。

どんな仕事をしてるのか…本当に楽しみで仕方がありません。


だから、その時まで、どうか風邪などひかないように、毎日を過ごして下さい。

私が会いに行ったとき、病気なんてしてたら、承知しないからねっ!



それじゃ、また手紙を書きます。


大好きで大切な瞬へ。


FROm.艶香



・・・・・─────

あれから、1か月が経つ。

手紙が届いたとメッセージが来たけれど、電話もかかってきたりしたけれど…

やっぱり瞬は自分の仕事の事は話さない。

それよりも、愛を語るとか、想いを伝えあうとか…そっちの方が優先されてしまうらしい。




そして、もうすぐ、瞬と出会った季節がやってくる。

私は、本当にお蔭様で元気にやっている。体調を崩すことなく、すこぶる健康に過ごしている。

そしてあれから泣かずに毎日過ごしてる。敢えて、仕事とアフターを忙しくさせて、なるべく寂しくならないように、日々を過ごしてる。

木枯らしから身をまもるようにして羽織ったコートの襟を立てて、ストールをまた巻きなおした。

頬に当たる風が、本当に冷たい。

冷え切った手を当て、また縮こまって帰路を急いだ。

街には、イルミネーションが煌めき始めていた。
< 642 / 646 >

この作品をシェア

pagetop