「同じ空の下で…」
「じゃあ、はっきり言う。明日…いや、今日、電話するから、出て?」
「いいよ。」
「無理に出ろとは言わない。出れたら出て。出てくれたら、すぐ俺は艶香のアパート向かうから出かける準備してて。」
「・・・・は?何、それ。」
「嫌ならいい。」
「まぁ、ワカリマシタ・・・・。」
「電話に出てくれなかったら、別にいい。」
「・・・・で?出て欲しい?出て欲しくない?」
「艶香に任せる。」
瞬が全く何を言っているか理解できずに、言いたい事が分からないで居る。
そんな、意味の分からない話をしている内に車から自分のアパートが見えた。
車が停まると荷物を抱えて助手席のドアを開け、外に出た。
「瞬、今日はありがとう。気を付けて帰ってね。」
「帰らないよ、タケル、手伝う。」
「…あ、そうだったね。じゃ、お休み。」
「うん、お休み。」
ドアを閉めると、瞬の車は動き出す。
そして、私も階段を駆け上がる。
見なきゃいいのに、なぜか気になり瞬の車を振り返って見ると、向こうも私の視線に気が付いたのかハザードを3回点灯させ、右折して行った。