「同じ空の下で…」
「・・・・何時だと思ってるの・・・・?」
「午前4時55分」
呆れながら、私はしぶしぶ瞬の車に乗り込む。
「艶香、すっぴんだぁ♪」
「あたりまえでしょ…」
無駄にテンションが高い瞬をよそ目に勝手に助手席のシートを倒し、瞬に背中を向けて横になると私は眠る体勢に入った。
「うん、寝てていいよ。着いたら起こすから。」
「・・・・おやすみ。」
「おやすみ~」
当然の如く、こんな腹立ちの中、眠れる筈もない。
「・・・・もしかして、寝てないの?」
「yes♪貫徹です♪」
はぁ・・・・
本当に呆れる――――。
私は大きくため息をつくとまた、目を無理やり瞑った。
そして、眠れる筈が無かったのに、暫く意識が遠退いて居た・・・・。
そう、眠って居たのだ─────…。
・・・・────────────
「艶香、起きて?」
「・・・・っ!?」
無言で私は目を大きく開け、慌てて体を起こす。
やばい、本当に眠ってしまって居た。
「着いたよ♪」
辺りを見回すと、さっきよりは明るくなったものの、まだ薄暗い空が眼前に広がっている。
「ここ、どこなの?」
「俺のアウター貸すから、降りて~♪」
「?」
そういって瞬は私にダウンを掛けると、外に出て伸びをしていた。