「同じ空の下で…」


「・・・・で、その事なの?昼間の電話は…」

相変わらず、電話の向こうで一人笑い続ける瞬。

「ああ、ごめんごめん。タケルが、先日の事で、皆にお礼したいからって、今日は~、仕事終わり次第~、飲み会しようって事になりましたっ♪イベントの事は今日は完全に休となりましたっ!」


「そう、そうなんだ…へ~・・・・。」


「で、特に俺と艶香は強制参加だそうです♪…なので二人で手でも繋いで派手に登場ってどうだろう?」

「ば・・・・ばかじゃないの!?何言って…んの…よ。」


さっきよりもどんどん顔・耳・頭が赤くなってるハズ。

・・・・そんな感覚に陥ってしまうほど、私は恥ずかしさで一杯になる。

なんなら、頭から湯気が出ていそうな気さえする。

そして、あの幻のような朝の光景を一人…思い出してしまう。


「ま、その連絡でしたっと。で、どうする?」

「どうするって・・・・何が?」

「一緒に行く?別々に行く?その前に行けるのか?ちなみにタケルの奢りね♪」

「どうするって・・・・・行けるけど・・・・」



…一緒に行くとか・・・・って・・・・。



いや、本当は一緒に行きたい様な…でも、なんか別々の方が自然の様な…。

本当は、今までは普通に二人で揃って事務所に行ってたから、どっちにしたって皆から見れば、自然なのは分かる。

だけど、あの朝の出来事以来、変に瞬を意識してしまうようになり、私の脳裏にはいつも余計な事が過ってしまうのだ。
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