「同じ空の下で…」
一人で笑い転げる瞬。
「あらら~?お2人さん、そうなんだぁ~♪」
由美までもが、真っ赤になった私の顔を覗き込む。
「ち、ちが………」
一生懸命言い訳を探しても上手い言い訳が出てこずに、むしろまた墓穴を掘ってしまいそうな気がした。
今の私は…タケルに慰めて貰うのが精一杯。
何も、言えない。
釈明の余地が…見当たらない。
本気で悔しい訳じゃないけど…悔しい。
なんか、悔しい…っ!
すると、やっと笑うのをやめた瞬が半笑いしながら、
「…艶香、スポンサー周りの時に寝てたから記念に撮ってみたダケ~♪」
…いや、一度もそんな事はなかったけど、ここはやっぱりそうしといた方が変に勘ぐられなくて済むな…と、私も咄嗟に頷いた。
「そ、そうよ。酷いよね、瞬は…!私がそんな…瞬なんかと、そんな事になる訳ないじゃない!…あ~、うかつだった。あたしも大した馬鹿だよね。うっかりうたた寝しちゃうなんてさぁ~!!!」
タケルの肩から顔を上げて一気にそう言うと、傍にあるビールを飲み干した。
そして、慌ててバッグにスマホを乱暴に突っ込んだ。
「大体にして、撮った写真を張本人に送るなんて…瞬は変わった趣味してると思わない?!…ほんっと、信じられないっ!!…あ、スイマセ~ン、生追加!」
「やっぱ、艶香からかうのおもしれ~!」
ご機嫌に余裕タップリに笑う瞬の顔に、目の前にあるお絞りを思いっきり投げつけた。
やれやれと言いいたそうな表情で、タケルが困った顔をしながら、その様子を見ていた。