「同じ空の下で…」

会社帰りでヒールを履いて飲みに参加の私が、スニーカーのタケルと瞬と由美に勝てる訳がない…。


――――結局、私の家で飲む事になり、4人でコンビニに寄ってお酒やお菓子を買い込んで2次会開始となった。


4人で何でもない話で盛り上がったり、各々の会社の愚痴大会だとか、暴露話で盛り上がり、話が尽きると適当にDVDを見たりして…

いつの間にか、皆で私の部屋で雑魚寝して朝を迎えていた。





「痛っ・・・・」



ベッドの上を一人独占して眠っていた私は軽い二日酔いの頭痛で目が覚める。

私のすぐ下に由美がブランケットに包まって眠って居て、隣の部屋で瞬が大の字になって眠っていた。


その寝顔を見て、昨夜の出来事が脳裏に浮かぶ。


…よしっ!今がチャンスだ!


ベッドを降り、そぉ~・・・・と瞬に近づき、瞬の寝顔にスマホを向ける。

激写っ♪


「…お、艶香、起きてたのか。」


背後にコンビニの袋を下げたタケルが現れた。
どうやら、朝ごはんを仕入れに行っていたらしい。


「おはよ~♪…フフフ、昨日の仕返ししちゃるっ!」

「あ♪じゃ、俺もちゃっかり参戦♪」


そして、コソコソと瞬の寝顔を色んな角度から撮ると、二人で声を潜めて笑い合う。


「どれ送ろう?」

「あたし、コレかな♪」


2人でコソコソと盛り上がって居ると、傍に居た由美も静かに目を開け同じ様に瞬の寝顔を撮り、各々一番面白い写メを厳選して一斉に瞬のスマホにメールを送った。

瞬のスマホが、静かな部屋に響く・・・・。

1回、2回、3回…。


「・・・・ん・・・・。」


鳴り続ける音に、面倒臭そうに目を開けて画面を見る瞬を私たちは素知らぬ顔で観察した。




< 88 / 646 >

この作品をシェア

pagetop