「同じ空の下で…」
「…おまえらなぁ…!」
私達が、やっと声を立てて大笑いしたのは言うまでもない。
────…
タケルが買ってきてくれたパンを4人で食べる。
昨夜散らかしたまま眠ってしまったテーブルの上は、どうやらタケルが朝早くに片付けてくれたらしい。
「なぁ、ちょっと気になったんだけどさぁ…」
一人だけ二日酔いにもならずに朝から食欲旺盛のタケルが、3個目のパンの袋を開けながら呟いた。
「ん~?何~?」
テレビを見ながらタケルの方を見向きもせずに上の空で答える、瞬。
「…ほんとに、瞬と艶香の間には何もないのかぁ~…?」
私はクリームパンに齧り付いたまま、目を見開いてタケルを見た。
「あたしも~、そこちょっと気になってた!」
由美はタケルの顔をすかさず見てニヤニヤしながら、私の顔を見る。
当の本人、瞬はというと・・・・。
「・・・・・」
何も答えず、テレビから全く視線を逸らす事無く、更には顔色一つ変えずに涼しい顔で黙っていた。
「…何も・・・・ないよ。」
沈黙に耐えかねて、私は答える。
「ほんとに?」
「・・・・う、うん。」
聞こえるか聞こえないかの声で私が答えたすぐ後の事。
「俺は大好きなんだけど、艶香は全然そんなんじゃないっぽいんだよね~」
相変わらずテレビから目を逸らす事無く涼しい顔してパンに噛り付いてる、瞬。
私だけが一人、焦ってしまい口に含んだ牛乳を吹き出しそうになる。