地味子が恋をした


あたしが家を出て、一時間が経過しようとしたとき 一誠から電話がかかってきた。


「お前何処に居るんだ?」


「彼女さんが怒ってない?
揉めてない?」


「今何処だ?」


「ちゃんと話したの?」


なんて あたしは一誠の問いかけには全く答えず 自分の言いたいことを並べる。


「お前!人の話を聞けよ!」


少し慌てたような口調で一誠が言った。


「あたしは…今から管理人さんが用意してえっ?くれてるアパートへ行くつもりだから」


「いいから帰ってこい!」


「えっ?もう彼女さん帰ったの?」


< 172 / 215 >

この作品をシェア

pagetop