壊れかけの時計


一緒に、住む・・?

ずっと頭を抱えてうなっている私にしびれを切らしたのか、彼はいきなり私を抱き上げた。

「きゃっ・・ちょっと、何・・っすんのよ!」

「はいはい、一回黙ってくんない?」

「はぁっ!?」

「黙んないと、このまま落とすけど?」


悔しいけれど、180cmある彼に抱き上げられてこの高さで落とされれば結構な怪我するだろう。しかたなく、私は降ろされるまで大人しくしていることにした。

リビングに入ると、彼はやっと私をソファに降ろした。


「(ムカつく)」

そう思ってふてくされていると、彼が私の隣に腰かけた。ふわっと香る彼の香りに安心感を覚えた。

でも、昔から好きな彼の匂いは少し変わってしまったようだ。

「・・・煙草、吸ってるでしょ。」

「ふっ・・よくわかったな、」

千影がくすりと笑う。
そんな姿も色っぽくてつい見惚れてしまいそうになる。


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