壊れかけの時計
私はパッパと大学へ向かう準備をし、ピンクのお気に入りのヒールを履いて家を出た。
朝ごはんを食べる習慣がないのはきっと”あの人”のせい。
なんでも彼にあてはめちゃう、私は嫌いだ。
そんなことを言っても、自然にあてはめちゃうのだけれど。
はぁっとため息をついて、徒歩15分で行ける大学へと足を進めた。
「あ、花音ちゃんおっはよ!」
「花音、おっはー」
飛び交うあいさつに私は笑顔で、おはようと答える。
私はあのマンションを出たら
性格の歪んだ女から今時の清楚系女子に変身する。
素の声よりもワントーンあげてしゃべったり、ね。
それに騙される人たちもバカだと思うけれど、自分の歪んだ性格に失笑する。