壊れかけの時計
「かーのんっ、おはよう!」
すると、
私の唯一の親友、天野愛海(あまのまなみ)が現れた。
「おはよ。」
彼女はいつでも笑顔で、人懐っこくて女子の中の女子って感じだ。
大学入試のときからの仲だ。
そんな彼女が今日はやけにテンションが高い気がする。
「ふふっ、花音!お誕生日おめでとう!」
そういって彼女は、淡いピンク色の小包を差し出した。
「誕生日プレゼント!」
「ありがとう、開けてもいい?」
私がそう聞くと彼女はもちろん!とかわいい笑顔でいった。
包みをあけてみるとかわいいアロマが3つ入っていた。
「気に入ってくれた?」
彼女はその潤んだ瞳で私の顔を覗き込んだ。
あぁ、男子はこういうところがたまらないんだろうな、と。
そんなくだらないことを考えていた。