チャットの貴方に恋をする
「で…メールをしてみたら思いの外良い奴で好きになったと…」
「うぅ…言わないで…」
顔を両手で覆いながら、瑠璃ちゃんがか細い声で言う
私はため息をつき、空を見上げた。
「私に言うのがお門違いのような気がするけど、告白するの?」
「…したい。けど…この関係が壊れそうで、怖い…」
私はため息をつき、とある小説の台詞を呟いた。
「『人間は儚く、脆い。それ故に関係をもち、他人を好きになるし関係が壊れることを嫌う。だが、関係が崩れるのも人間だからこそ。だから人間は関係の変化を覚えるのだ』」
言い終えた瞬間、瑠璃ちゃんが吹き出した。
「それ、前貸してくれた本の、とある変態賢者様の言葉じゃん」
私はくすくすと笑うと、瑠璃ちゃんをじっと見た