チャットの貴方に恋をする
私は七海さんの質問を突き放した。skyflowerを閉めるのは、私のエゴだ。身勝手だ。本当のことを話したら、きっと七海さんは失望するー
瞬間、ドンッという鈍い音が耳元で聞こえた。ひんやりとした、固い壁の感触が背中に伝わる。目の前に七海さんの顔があった
ーいわゆる、壁ドンという奴のようだ
「言えよ…瑠璃に聞いても何も言わねぇし、恭平は俺のせいだの一点張りなんだよ。いってくれなきゃわかんねぇんだよ」
冷たい、とても声が冷たい。呼吸の音さえ聞こえてきそうな静かな部屋で七海さんの声だけが聞こえた。
「…言いません」
私は静かにつげた。声が少し震えて、目の奥が熱くなる。
あぁ、今泣きそうな顔をしてるだろうな。私は自嘲しながら思った
「…いえよ」
私は七海さんの顔を見る。七海さんは泣きそうな顔をしていた。なんで、そんな顔をするの?
お願い、そんな顔をしないで。悪いのは、私なんだからー