チャットの貴方に恋をする
「さてと…そろそろ帰らねぇとな…でないと母さんに叱られる…」
「そうですか」と私は呟く。私はポケットから綺麗にラッピングされた袋をだし、七海さんの近くに駆け寄った
「七海さん、これ…」
私は七海さんにそれを渡す。七海さんは不思議そうに首をかしげて受け取った。
「開けていい?」という問いかけに私は小さく頷く。ぺりぺりとセロファンが捲れる音が聞こえる。
「これ…」
私があげたものは、手袋だ。もこもこしているものではなく、それなりに機能性のある黒い手袋ー
七海さんはそれを手にはめると私に見せた。少し薄目の生地だが、それは手を温めるのには充分だった