チャットの貴方に恋をする
箪笥を開けて服を物色する。遊ぶ範囲はおよそ町内だ。
私はタンスの中からパーカーに中学指定の短パンを出して着替え始める。
ボサボサの髪を櫛で適当にといてシュシュでまとめると、メガネを外してコンタクトを入れた。
まあ、こんなもんでしょ。鏡の前には相変わらず冴えない私が無表情で立っている。もう少し可愛いかったら良かったのに…私はため息を吐き、部屋から出た。
階段を下りるとジャージ姿の姉がいる。携帯を弄りながら時々奇声を発して吹き出している。
……花の女子高生が品の無い…
「今日、瑠璃ちゃんと遊んでくる。飯適当に作ってて」
言い忘れてたが私の母は看護師だ。昨日のような事は夜勤明けか休日以外無く、長期休みの時は自分達で買うか作れという感じだ。
「えー……」
「「えー……」じゃない。たまには自分で作ってよ」
私は冷凍庫の中に入っているチキンライスの袋を取り出すと、豪快に皿の上に出した。
皿にラップをして電子レンジの中に入れ、指定の時間にセットするとスイッチを押した。