チャットの貴方に恋をする


しばらくして、ようやく落ち着いたのか瑠璃ちゃんは目尻に溜まった涙を拭いた。


「あー…笑った。しばらく笑わなくても良いかも…」


「………そんなに面白かったの?」


私は恐る恐る聞いてみる。瑠璃ちゃんは満面の笑みで頷いた。


「蓮歌…雪那ちゃん、普通に考えてよ。不整脈の患者がこの世に何億人といたら地球上全員発情期だよ?でも、この世には非リア充もいるでしょ?」


もちろんこの世には非リア充もいる。現に私は自慢じゃないが彼氏いない歴=自分の年齢だ。そう考えると、私は姉に変なことを吹き込まれたことになるな…

「確かに…また姉に変なこと言われたし…」


よく考えてみればこの世の全員が発情期だったら毎日貞操の危機と背中合わせで過ごさなきゃいけない。私は天高く腕をあげ、伸びをした。澄みわたる青空が、視界に移る。

「この世に非リア充がいて良かったー!!」


「雪那ちゃん、それ地球上の非リア充に失礼だと思う」


「あはは…」と私は乾いた笑いをしながら、再びラング・ド・シャに手を伸ばした。

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