チャットの貴方に恋をする
梅が散り始めて桜が咲き始める春休みという日々のなか、私はPCの前で部屋着兼パジャマ姿に寝ぐせだらけの頭のまま、ただ単にキーボードを打っていた。
新学期を迎えたら中学3年生だが、私は勉強というものに一切手をつけていない。
私が手をつけているのはPCでチャットをすることだ。
私は起きぬけの身体に鞭を打ちながら、チャットのルームを作る。
チャットで磨かれたタイピングの速さは、事務の職員並らしい。まぁ、そんなことはほっといて…
私はじっとPCの画面をガン見しながら、誰かが来るのを待った。すると、5分程した後、真っ黒な画面に、文字が浮かんだ。
〈蓮歌さんが入室しました〉
〈龍弥さんが入室しました〉
来た!!っと私は髪をシュシュで適当にまとめると、キーボードを打ち始めた。