チャットの貴方に恋をする
ふたりぼっち
ー昼休み
「失礼しまーす…」
私は重たいドアを押し開けると、保健室に入った。
別に体調不良だからと言うわけではない。私の目的は、保健室の先生にある。
「雪那、なんかあったか?」
暗い栗色の髪に、薄いメイク。女性らしい柔らかい雰囲気の服を着た女性が窓際の教員用の椅子に座っていた。
彼女は谷口玖美、保健室の先生にして私の現状を一番知っている先生だ。
「今日は雑談に来ただけですよ」
私は小さく微笑みながら言う。といってもうまく笑えてないだろう。
先生は微笑みながら「座って」と傍にあった小さな丸椅子に私を促した。