チャットの貴方に恋をする



「バカ野郎が…」

俺は小さく、しかしはっきりと言いながらキーボードを打った。


龍弥 「(抱き締める

俺じゃ届かない、遠くにいる蓮歌を、ネット越しに抱き締める。

俺と蓮歌のいる場所が遠すぎて、彼奴がどれだけ傷付いているのかが分からないー遠すぎる


届かない…遠すぎるー自分と蓮歌の間に分厚い、大きすぎる壁があるように感じて、自分が嫌いになるー

龍弥 「俺がいるから、俺に頼れよ…耐え続けても…辛いだけだ…

自分が大っ嫌いな俺だけど、神様。蓮歌だけは笑っていれるようにしてください…

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