チャットの貴方に恋をする
ー数日後
「…………分かった、本当に言って良いんだね?」
「………構いません、全てを先生に言ってください」
私ははっきりとした口調で告げた。
白髪の混ざった黒髪を1つに結った明るい雰囲気の女性は学校相談員の多田 泉さんだ。
泉さんは私の母さんと友人だ。私の状況を2番目に知っている人だが、母さんにはこの状況を言わないように伝えている。
泉さんは少し困ったような顔をしながら、私の目を見る。
私はじっと迷いのない目を泉さんに向ける。
「………正直、ちゃんと言えるようになってくれたのは嬉しいよ」
泉さんは安心したからか小さく息を吐いた。
「正直、先生に言いつけたとか言われないかは不安です。しかし、それは彼奴が…朱君が先生に言われたくないだけだから言ったんだと開き直りました」