チャットの貴方に恋をする
「羽田さん、少しいい?」
私はゆっくりと声の聞こえた方に顔を向けた。
そこには今風の女子が立っていた。
「………どうしたの?」
私は彼女を見ながら聞く。膝下までの長さのスカートをぎりぎり膝が隠れる長さにまで短くし、スカーフを大きめに結んだ今風の女子生徒だった。
「………その、ごめんね…?」
私は目を丸くした。まさか謝りに来る奴がいるなんて思わなかったからだ。
彼女は申し訳なさそうに俯いている。私はうまく笑うことのできない自分を無理やり笑わせ、静かに答えた。
「もう大丈夫だよ、わざわざ謝りに来てくれてありがとうね」
「うん…」と彼女は頷くと女子のグループに戻って行った。