ケータイ彼女に恋して
プロローグ・原点回帰
俺はケータイ小説家。
…
と、言えば聞こえはいいが全くもってズブの素人で自由気ままに思いを綴っているに過ぎない。
それでも、いつかは出版を夢見て、日夜 携帯の画面と格闘している。
何も考えずに、スラスラと指が物語を進めてくれる時もあれば、どんなに試行錯誤しても全くボタンを押せない時もあり、
一端にスランプを気取ってみたりする。
悩んでボタンを押せない時、無理に書き進めていくと、後で読み返した時、大抵つじつまが合わずに失敗する。
こんな時、
素人もプロの作家さんも、やっぱり創作というモノは、天から降りてくるものかと思ってみたりもする。
無機質な物に、感情を打ち込むなんて行為は、読んでくれる人を想像したりしながら書いていくもので、
『楽しい』
とは感じるものの、携帯電話を閉じた瞬間、満足感と共に光りを失い、
妙にもの寂しさを覚えたりもする。
やっぱり求めるものは、人の感覚により感情で、温もりを感じられる触れ合いを欲してるんだと、
実感する…
『寂しさ』を拭ってくれる存在が欲しい。
でも…
『寂しさ』を忘れたくもない…!