ケータイ彼女に恋して

週末にならないとわからないなんて、ミズキには言ったけど、俺は会う気はない。


今まで…ナツを見つけるまでの俺は、

女の子との出逢いなんて、これっぽっちもなくて、でも寂しくて、恋がしたくて、

少ない出逢いを恋に結びつけてきた。


端から見れば、惚れっぽいとでも言うのかもしれないけど、好きになったら一途だし、

惚れっぽいなんて、恋の安売りしてるなんて自分では思いたくもない。

いつだって真剣で、いつだって純粋に、恋を愛した。そして相手を大事にしてきた。

でも、その相手が今手元に居ないのは、きっとどこかで自己満足してただけなのかもしれない。


どんなにツラい恋をしたって、また恋に救われる事が時折切なく、空しく、

永遠なんて望んでる時点で既に終わりを予感してるようで…

何が寂しいのか、

どうあれば寂しくないのか、

満たされている時には気づけずに、

失った後にはもう理解できる術もない。


考えれば考える程に、わからなくなって、

自分が何を望むのか、
相手が何を望むのか、


絡まりあっても、繋がりあうことはなく、いつも空回る無限回廊の中を涙で濡らすだけ。


過去の恋愛を否定はしない。

でも結果は常につきまとい、

新なる実を食べなければ、空腹も満たされることはない…

まるで恋愛そのものが生きる為の糧となるように。
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