ケータイ彼女に恋して
仕事も終わって、休憩室で煙草をふかしていると、
「ぉ疲れ〜」
と、相も変わらず、ふてぶてしい態度で大貴が歩いてきた。
「おぉ、お疲れさん」
年上っぽく、それでいて威張ってなどいない、というような態度で応対。
随分と俺は、器が小さいようだ…
普段は周りから、どう思われようが関係ないなんて思っているクセに、自分が認めた相手にだけは、よく思われたいのか……
まぁ、人はこんなもんだろう…
何とか取り繕い、平静を保つ俺をよそに、
ドカッ、と椅子に腰掛け、足を組むと、パチン、というジッポの音を鳴らし、煙草に火を灯す(年下の)大貴。
斜め45度を見上げながら、「フゥーッ」と煙りを吐き出す。
顎には髭を携えて…
あぁ、ふてぶてしい奴だ…
とは思いながらも、大貴の顔をチラリと伺うと、今日はどんな言葉を放つのかと、期待してしまう…