ケータイ彼女に恋して
夢。この手に掴むモノ
25年間、生きてきて、今この手に何が残るだろう。
何を掴んできただろう。
何を掴み損ねてきただろう。
自分の手のひらのシワや、仕事で出来たマメや、その他の滲むような不確かなモノを…
俺は見つめた。
溢れたものが、汗でもない名もない水に変わろうとしたのを、
俺は必死でこらえた。
スカスカだ。
手の中は今でもスカスカな気がした。
寂しいのか俺は…?
でも俺は、
寂しさを人に見せない。
強がる事で、自分を奮い立たせ、
寂しさを忘れない事で、夢を忘れないようにしてた。
一時の満足に全てを忘れちゃいけない。
心は油断大敵、
人も千差万別、
日々成長し、変わっていくから、自分の足は満足によって止めてはいけない。
最終線は、もっと先にある。
寂しさを忘れていいのは、
望む全てを掴む事ができ、
手のひらがしわくちゃになって、
歩んできた事にも答えを持って、
満ち足りたその時―。