ケータイ彼女に恋して
しかし、その書き込みの直後から、
薫からの返信は途絶えた。
数日後、やっと来た薫からの返信は、『恭子』と名乗る女性からのものだった。
そこで遥は、聞くに耐えない悲しい事実を知る――…。
…と、まぁこんな感じ。
冒頭から始まるプロローグを皮切りに、物語の終盤まで、読者を飽きさせないストーリーと、女の子ならではの淡い恋心を描いた小説で、
何だか、読んでいて昔の初恋を思い出させるような、
そんな甘酸っぱい気持ちになれた。
う〜ん。
賞に選ばれるのも納得。
文豪と呼ばれるような昔ながらの小説っぽさはないものの、今時の若者ウケするようなスタイルで、
人気を博しているのも頷ける。
探していた答えが一つ見つかったような気がした俺は、
束の間の安堵感に惚けていた…。